① 新聞からの情報について 日本における大手新聞社のひとつで聞いた話であるが、この会社は全地球上約3000ヶ所の情報発信地を保有しており、日刊紙に1分間でも早く間に合うよう頑張っている。送信される情報量は字数にして約120万字であるが、これを本社の編集部がその重要度をランク付けし篩(ふるい)にかけて、12万字の情報を残して、他は没にする。つまり、くず籠に捨てるということであり、発生している情報の10分の1(1/10)しか、活字にならないことを示している。 他方、読者側ではどうだろうか。私の場合を例にして以下数字でみることにする。日常多忙なので「新聞の斜め読み」という方法を採用するが、これは記事のタイトルを先ず目で追い、自分が必要と思った記事のみ精読することである。時折、大事な情報を見過ごして、仕事仲間や事務所の弟子などから教えてもらい赤面する。社会面を中心に見て、政治、経済面を簡単に見るので、全体からみれば多分1/5ぐらいだろうと推想する。 この事は収集された全情報からみれば、発信側で1/10、受信側で1/5、つまり、この積(掛算)の答1/50が私の脳にインプットされる結論になる。 かなり粗雑な見方ではあるが、新聞から入る情報は、この程度であると知るべきである。
② 漢字の読み方について 毎年、日本において、株式会社寫研(東京、豊島区)主催による「全国漢字読み書き大会」が開催されているが、もっとも成績の悪かったのは、本来の正しい読み方と慣用(一般に通用する)読み方の両方を求めた問題である。「洗滌」の「せんでき」を正しく読めた高校生はわずか1.5%、残りは「せんじょう」と読んだのである。「消耗」は「しょうこう」が正しく、「しょうもう」は誤り、「撹拌」は「こうはん」(正)、「かくはん」(誤)、「早急」は「さっきゅう」(正)、「そうきゅう」(誤)である。今日の日本では、本来の正しい読み方を知っている人が少ないのではないかと考える。 漢字のルーツは中国であるが、北京で集めた情報では漢字を省略、簡単にする運動で変化しつつある。電及び業は(画像)のように改正されたのである。
③ 振動切削法(Ultrasonic Cutting) 切削加工において、工具(ツール)を強制的に50Hz~20KHzの振動を与えながら切削すると次のような切削効果が得られる。 ●切削抵抗が大幅に減少する ●仕上面が理論的あらさになる ●工具寿命が大幅にのびる ●切削油の効果が増大する 一般的に、常識では、振動は工作機械に害はあっても益はない。強制的に刃物に振動を付加したらビレ(振動マーク)が発生して製品にならない筈であるが、意外なことに、一定の規則的振幅、振動数で加振すると、上記の効果が確実に出てくるから不思議である。 この研究は、宇都宮大学隈部淳一郎博士によって創始され、現在、生産現場で実用に供されている。次の2件の開発は道場主担当。(世界初の振動切削旋盤)(写真1.振動ねじたて盤10ST―A型)
② スーパー糸の開発 1972年、米国デュポン社が超強力繊維ケブラーを開発したが、このアラミド繊維は引張強度500㎏/#13215;cmもあり、夢の繊維と呼ばれていた。 ところが、1992年11月、日本の東洋紡が米国の大企業ダウ・ケミカル社と共同開発で糸としては最大の強度をもつ新しい繊維素材を開発することに成功し、今後実用化に取組むと発表した。新素材はPBO繊維と呼ばれ、重い物を吊り下げる力はピアノ線の2倍、変形しにくさは炭素繊維並み、さらに、700度の耐熱性がある。 このような繊維はスーパー繊維と呼ばれ、自動車タイヤの補強材、航空機、防弾チョッキ、防火服、カヌーおよびカヤックなど市場は急速に拡大しつつある。 2000年に入り、先のデュポン社は、クモの糸こそ世界最強の繊維、こんな発想から、遺伝子組み換え技術を駆使して、クモの糸そっくりの繊維を開発した。 軽くて伸び縮みする特長を生かし、衣料品や宇宙・航空機分野での実用化を研究している。生産工程でも石油製品や有機溶剤を一切使わず、天然に近い素材を強調している。デュポン社は、まず、糸の特性を決めるクモの遺伝子の配列を解明。コンピュータを使ってこれとそっくりな遺伝子を合成し、イースト菌などに組込んで、クモの糸のたんぱく質に似た物質(バイオシルク)を生成した。これを溶剤で溶かし、糸を紡いで繊維にする仕組みである。新素材は社内で「スパイダーシルク」と呼ばれている。
③ 松枯れ病の主犯について 森林において、松の木を枯らす原因は、枯れた木で見つかるマツノマダラカミキリという虫が松の葉を齧るためであるとの学説から、この虫に寄生するマツノザイセンチュウという線虫が犯人である説に変わった為、防除策にはカミキリへの農薬散布か、線虫を殺す駆虫剤を松の木に注入する方法がとられていた。 ところが、1992年、神津、岡山大学農学部教授がマツノザイセンチュウが引き起こすと見られている松枯れ病は、この線虫がもっている細菌が出す毒物で起る可能性が非常に高い。と日本農芸化学会で発表し注目されたのである。 主犯が細菌ならば、他の動植物に害のない殺菌剤による駆除方法に切り換えられるから素晴らしい。