ワンポイントアドバイス
企業における経営の問題点は現場にあり、 その問題点の解決方法も現場にある。 (中田賢治の経験則)
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道徳教育と教育勅語について
道徳教育と教育勅語について
1945年8月15日、日本は大二次世界大戦で敗れ、終戦を期して占領軍主導による新憲法が作成され、’47年5月3日より施行された。
昭和23年(’48年)6月19日、第二国会において「教育勅語の失効確認に関する決議案」が成立、明治23年(1890年)発布の教育勅語は、ついに約60年の生命に終りをつげた。教育勅語が、国民道徳の規範として明治、大正、昭和三代にわたって日本の急速な発展の原動力になったといわれるが、伯国コロニア〈2008年は移民百年記念行事が、ブラジル各地で開催された〉の発展も、これが精神的背景になっていることを忘れてはならない。
「金で栄えて心が滅ぶ」という言葉もあり、今日の日本はまさに、この道を走っているのではないかと考えるのは私ひとりではあるまい。ライオン宰相といわれた西ドイツのアデナウアー首相が、教育勅語を独語に訳し、自分の書斎に掲げ「日本の教育勅語こそ古今東西を通じ人類普遍の道徳律である」と毎日暗誦していたことは周知の事実なのである。今回は教育勅語の全部を知り、日本人、日系伯国人として、また世界人としていかに社会および経済活動に貢献すべきかについて考えてみたい。
教育勅語(口語文、国民道徳協会訳)
私は、私達祖先が、遠大な理想のもとに道義国家の実現をめざして、日本の国をおはじめになったものと信じます。そして、国民は忠孝両全の道を完うして、全国民が心を合わせて努力した結果、今日に至るまで、見事な成果をあげて参りましたことは、もとより日本のすぐれた国柄の賜物といわねばなりませんが、私は教育の根本もまた、道義立国の達成にあると信じます。国民の皆さんは、子は親に孝養をつくし、兄弟、姉妹はたがいに力を合わせて助け合い夫婦は仲むつまじく解け合い、友人は胸襟を開いて信じあい、そして自分の言動をつつしみ、すべての人々に愛の手をさしのべ、学問を怠らず、職業に専念し、知識を養い、人格をみがき、さらに進んで、社会公共のために貢献し、また法律や秩序を守ることは勿論のこと、非常事態の発生の場合は、真心を捧げて、国の平和と安全に奉仕しなければなりません。
そして、これらのことは、善良な国民としての当然のつとめであるばかりでなく、また、私達の祖先が、今日まで身をもって示し残された伝統的美風を、さらにいっそう明らかにすることでもあります。
このような国民の歩むべき道は、祖先の教訓として、私達子孫の守らなければならないところであると共に、このおしえは、昔も今も変らぬ正しい道であり、また日本ばかりでなく、外国で行っても、まちがいのない道でありますから、私もまた国民の皆さんとともに、父祖の教えを胸に抱いて、立派な日本人となるように、心から念願するものであります。(正文は文末に記入)
以上のように、教育勅語を口語訳で読んでみると、これが古今東西を問わず、正しい教育の大方針を示した道徳教本であることが理解できるのである。
これをさらに明解にするために、その内容の要点のみ列挙してみると次の12項目であり、人間として、社会人として行なうべきことが浮き彫りになる。
1. 孝行(こうこう)子は親に孝養をつくす。
2. 友愛(ゆうあい)兄弟姉妹は仲良くする。
3. 夫婦の和(ふうふのわ)夫婦はいつも仲むつまじくする。
4. 朋友の信(ほうゆうのしん)友達はおたがいに信じ合ってつき合う。
5. 謙遜(けんそん)自分の言動をつつしむ。
6. 博愛(はくあい)広くすべての人に愛の手をさしのべる。
7. 修学習業(しゅうがくしゅうぎょう)勉学にはげみ、職業を身につける。
8. 智能啓発(ちのうけいはつ)知徳を養い才能を伸ばす。
9. 徳器成就(とくきじょうじゅ)人格の向上につとめる。
10. 公益世務(こうえきせいむ)広く世の人々や社会のためになる仕事にはげむ。
11. 遵法(じゅんぽう)法律や規則を守り、社会の秩序に従う。
12. 義勇(ぎゆう)正しい勇気をもって国のために真心をつくす。
戦後(1945年)から今日まで日本社会とくに教育現場においては、教育勅語とか道徳という用語は敬遠され、その中味に深く踏み込むことが悪(あく)であるという雰囲気であった。そのため親自身が教育方針を知らず、当然子供たちにも教えられない、伝えない状況が続いていたのである。
先般、ブラジル日本会議主催の講演会が日本文化協会において開かれた時、講師の小原 彰氏(元ブラジル陸軍少尉)が躾(しつけ)の重要性を訴えて深い感銘を与えたが共感を覚えたのは私だけではあるまい。
以前、新日本製鉄の社長であった永野 護氏は、毎年、新入社員の入社式と付合い上出席する結婚式の祝辞は「親孝行をしてほしい」に決めていたそうである。親を愛せないものがどうして隣人を愛し、日本社会、世界人類を愛せようか。
1985年、日刊工業新聞社、工場管理(月刊誌)が5S(整理、整頓、清掃、清潔および躾)テクニックを企画、出版、再販25版のベストセラーになったが、この中で私は「躾が第一で進める5S運動」を担当し、躾の重要性について報告した。序文を書いた西堀栄三郎先生(京都大学、南極越冬隊長、登山家、デミング賞受賞)は、「躾が一番大切」と同意見を述べている。
日本では1950年代から85年までを5S、85年から後を、新しい5Sと区別している。前者における躾は「社会人、組織人として行うべきことをキチンと守る」という定義になっている。後者の躾定義は「思いやり」であり、道徳性向上運動の位置付けであった。
「最近の子供達、学生たちは躾が悪い」、「あの家の子供は躾がよくない」、「どうもうちの子供たちは躾が悪くてこまる」などいろいろ聞くことが多い。このような結果になっている原因はどこにあるのだろうか。答は簡単、親、先生たちが子供、学生たちに躾を具体的に教えないからである。人間誰でも知らないことは教えられない。知っているのに教えない親、先生が居るならば、子供の教育を放棄したことになる。
親孝行の歴史を見ると、非常に興味深い。孝道の科学的研究(広池千九郎、早稲田出版)によれば、食老、殺老、棄老、敬老と変化し今日に至っている。日本でも姥捨伝説が残っているが、この名残りである。
昔、自分の母親を姥捨山に捨てに行く日、それを自分の息子に頼み、母を荷車にのせて送り出した。息子が空になった荷車を引いて帰宅したので、どうして荷車ごと山に置いてこなかったのかと質問した。息子答えていわく。今度父さんを捨てる時必要だから。親、先生を見て子は育つ。教育勅語礼賛の弁。
教育勅語の正文
躾惟フニ。我ガ皇祖皇宗、国ヲ肇ムルコト宏遠ニ徳ヲ樹ツルコト深厚ナリ。
我力臣民、克ク忠ニ。克ク孝ニ、億兆心ヲ一ニシテ、世々厥ノ美ヲ済セルハ、此レ我力国体ノ精華ニシテ、教育ノ淵源亦実ニ此ニ存ス。
爾臣民、父母ニ孝ニ、兄弟ニ友ニ、夫婦相和シ、朋友相信ジ、恭倹己レヲ持シ、博愛衆ニ及ホシ、学ヲ修メ、業ヲ習ヒ、以テ智能ヲ啓発シ、徳器ヲ成就シ、進テ公益ヲ広メ、世務ヲ開キ、常ニ国憲ヲ重シ、国法ニ遵ヒ、一旦緩急アレハ義勇公ニ奉シ、以テ天壌無窮ノ皇運ヲ扶翼スヘシ、是ノ如キハ、独り朕力忠良ノ臣民タルノミナラズ、又以テ爾祖先ノ遺風ヲ顕彰スルニ足ラン。
斯ノ道ハ実ニ我力皇祖皇宗ノ遺訓ニシテ、子孫臣民ノ倶ニ遵守スヘキ所、之ヲ古今ニ通シテ謬ラス、之ヲ中外ニ施シテ悖ラス、爾臣民ト倶ニ、挙々服膺シテ、咸其徳ヲ一ニセンコトヲ庶幾フ。
明治二十三年十月三十日
御名 御爾
注)教育勅語のポルトガル語訳および英訳があります。必要な方は、次のe-mail(nakatakenji@hotmail.com)までご請求下さい。
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